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アドビ、Acrobat 3D V8リリースで3Dデータ流通を加速

[issued: 2007.05.21]

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ギャレット・イルグ社長

 アドビシステムズ(東京都品川区、ギャレット・イルグ社長)は、大容量の3D CADデータファイルをドラッグ&ドロップで汎用性の高い軽量PDFに変換できる「Adobe Acrobat 3D」の最新版Version 8の日本語版を6月中旬から発売する。主として製造業の企業内で、日常的なコミュニケーションツールとして流通させることを狙う。

 価格は通常版が13万5870円、Acrobat 3D日本語版正規登録ユーザのアップグレード版およびアカデミック版がともに4万320円など。無償体験版は6月中旬以降、同社Webサイトからダウンロードできる。

 旧バージョンでは、3DデータをECMA(欧州電子計算機工業会)標準データ形式のU3Dを用いてPDF化していたが、新バージョンでは高圧縮のPRCファイル形式を採用して、PDF変換時にどちらかを選択できるようにした。

 このPRC形式によって大容量のCADファイルをPDF変換できるようになった。マーケティング本部の小圷義之フィールド・プロダクト・マネジャーは「U3Dでは500MBを超えると変換できなかったが、PRCではギガバイト単位でも変換できる」と説明する。PRC形式の採用はまた、3Dモデルの製品製造情報(PMI)の表示を可能にした。PMIは、幾何公差寸法、許容差情報、注釈、寸法、その他3Dモデル上に直接指定された仕様などの情報の伝達に使用され、CATIA V5、I-deas NX、NX、Pro/ENGINEER、JT Openなどのフォーマットに対応している。

 さらに、新バージョンではAdobe 3D PDFからジオメトリ情報を抽出して、STEP、IGES、Parasolidの形式に書き出し、保存・再利用が可能になった。Windows Vista対応、Office2007対応などAdobe Acrobat 8 Professional版の機能をすべて装備しており、MS Power Point、Excel、Wordに3Dモデルを取り込みそのままPDF変換できる。また、無償のAdobe Readerを使って回転・パン・ズーム操作など閲覧が可能なほか、3Dモデルの断面図を表示したり、3Dものさしツールを使った計測機能も備えている。

 イルグ社長は「新バージョンは、製造業の課題となっているグローバリゼーションに加え、日本企業に求められるクリエイティビティの強化を支援できる」と強調する。

大日本印刷の「CADVIS REAL」

 大日本印刷はこの新バージョンを用いて、設計用CADデータから印刷に使える高品質の3D CG画像制作を可能にしたバーチャル製品制作「CADVIZ REAL」を事業化する。カタログ用試作車を作らず、製品を撮影せずに設計CADデータから新車の外装、内装カタログを作成したり、CADデータだけから起したCGイメージの乗用車を実写の背景映像と合成して走らせるコマーシャル映像を作成できる。このバーチャル製品ベースのメディア・コンテンツ制作により同社は「2010年までに年商100億円の売上げを見込む」(情報コミュニケーション研究開発センター、五味英隆部長)という。

(甲斐真一郎)


大日本印刷によるAcrobat 3D V8を使った「CADVIZ RIAL」のデモ



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