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産総研、紫外線を高効率発光できる半導体材料を開発
[issued: 2007.05.28]
図1 試料の断面図の模式図
産総研の太陽光発電研究センター化合物薄膜チームは、ZnOを用いた紫外線発光素子や高性能トランジスタを目的に、ZnOの高品質な薄膜単結晶成長技術の開発と基礎物性評価の研究に取り組んできた。現在は分子線エピタキシャル法による高品質な薄膜単結晶の成長技術だけでなく、ZnOの上に ZnMgOの単結晶薄膜を成長させる技術なども開発している。
今回の発見では、真空容器内に設置したサファイア基板上に、分子線エピタキシャル法で酸化マグネシウム(MgO)、ZnO、ZnMgOの単結晶薄膜を下から順番に成長させた試料を用いた。ZnMgO内のMg濃度が異なる3種類の試料に、1.4K(絶対温度)の低温状態で紫外線レーザー光を照射すると335nm~365nmの波長で発光し、Mg濃度が高くなるほど発光波長が短くなると同時に発光効率も向上するという実験結果が得られた。Mg濃度 5%の時に比べてMg濃度15%では、発光強度は2倍以上になっている。またMg濃度が高いと試料温度の上昇による発光効率減少の比率が小さくなるという傾向も見られた。原因としては、試料中のMg濃度が場所によって一様でなく、濃度の高い場所と低い場所が、混在するために材料の発光効率が大幅に向上していると予想している。
従来、ZnOにMgを混ぜることで発光波長が短くなることは知られていたが、今回高品質な単結晶薄膜を利用したことにより、発光効率も向上するというZnMgOの持つ機能が明らかになった。従来、青色発光ダイオードに用いる窒化ガリウム系材料のように、発光波長が短くなると発光効率が減少するというのが一般的な考え方だった。
発光素子の構造は、発光する活性層を、光や電子を閉じこめる障壁層で挟んだ3層構造をとる。今回の発見では、障壁層に用いたZnMgOの発光効率がZnOを大きく凌駕したことから、今後はZnMgOを活性層にした構造で、従来にない高効率の紫外線発光半導体素子の開発を行い、高密度光通信、高輝度白色光源、太陽電池やFPDの透明導電体薄膜の実現などにつなげて行く。
図2 酸化亜鉛(ZnO)にマグネシウム(Mg)を混合した マグネシウム混合酸化亜鉛(ZnMgO)の1.4Kにおける発光スペクトルのMg濃度依存性
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