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第一稀元素と田中化学、出力が従来比で20%向上するSOFC負極材料を開発

[issued: 2007.06.05]

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今回開発したNiO-ScSZの複合粉(右)とセル

 第一稀元素化学工業と田中化学研究所は、固体酸化物型燃料電池(SOFC)向けに、出力特性が従来比で約20%向上するなど性能を高めたアノード電極 (負極)材料を開発し、燃料電池メーカーへのサンプル供給を開始した。今後は、さらなる改良や水素以外の燃料ガスへの対応を進めて、2008年~10年に量産体制を確立する方針。

 SOFCは、数kWから数MW規模の発電プラントに適した燃料電池で、発電効率が40%~65%と燃料電池の中では最も高く、燃料ガスに水素燃料だけでなくメタン、プロパン、一酸化炭素などを利用できるという特徴を持つ。しかし、発電に寄与するジルコニアセラミックスで構成される固体電解質材料の作動温度が約700℃~1,000℃と高いため、電極の耐久性が課題になっていた。

 SOFCの負極には、水素を通す多数の気孔が必要で、同時に発電した電気を効率よく安定して導電させる構造を実現する必要がある。ジルコニウム化合物メーカーの第一稀元素とニッケル化合物技術をもつ田中化学は06年1月に業務提携し、負極材料として適切な特性を備えたZr系複合粉末の開発に取り組んできた。

 従来の負極材料は、導電体の酸化ニッケル(NiO)と、絶縁体のスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)あるいはイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を混合して仕上げている。しかし分散性が不十分な場合に導電性が低下したり、水素ガスを電解質まで通すための気孔形成工程のコストが高くなるなどの問題があった。両社は粉体合成技術を応用して、粉体にする前の中間工程でNiOとScSZ/YSZの混合を行うことで、高分散で気孔保持率を最適化した低温用NiO-ScSZ粉末と高温用NiO-YSZ粉末を開発した。発電時の出力が従来比で約20%向上するほか、燃料電池セルのコストダウンや品質の安定化も期待できるとしている。



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