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DNニュース

2007年09月27日

米SolidWorks社、日本でのミッドレンジ3次元CADの市場シェア50%を狙う

 
SolidWorks社新CEOのJeff Ray氏 SolidWorks社新CEOの
Jeff Ray氏

 SolidWorks(ソリッドワークス)社(以下、SW、本社:米マサチューセッツ州コンコード)は9月25日、東京大手町サンケイプラザで「SolidWorks World Japan 2007」を開催した。このイベントに出席するため来日した同社の会長Vic Leventhal氏および今年の7月11日から同社の新CEOとなったJeff Ray氏、そして今年9月1日から同社日本法人ソリッドワークス・ジャパンの新社長となった飯田晴祥氏にSWの今後の戦略などについて聞いた。

Design News Japan編集部(以下、DNJ):2006年度の販売実績が2億9,700万ドル(350億円)で対前年度比21%増と伸びた理由は何か。
Ray氏:全世界で毎年市場に投入されるエンジニアの数を見ると、リタイアするエンジニアと入れ替わるだけで、多くても3〜4%増えているぐらいだろう。この数から考えてもこの21%という数値は、市場のシェアを増やしていることを示している。この成長には1つの基本的な理由がある。我々は、顧客が何を欲しているのかを聞いているからだ。顧客に耳を傾け、得意なことと、改善する必要のあることに対して正直であれば、我々は成長し続けるだろう。
Leventhal氏:多くの競合他社が1けた成長であるのに対し、当社は2けた成長しており、毎年、成長し続けている。当社を設立した当初から、1つのことに焦点を当てている。それは最良の機械設計ソリューションを提供することである。製品の販売から得たお金を、顧客のほかのニーズに応える製品の開発に投資している。

 
SolidWorks社会長のVic Leventhal氏 SolidWorks社会長の
Vic Leventhal氏

DNJ:日本の成長に対してはどのように考えているか。
飯田氏:会社内部の組織をこれからの成長モデルに合わせる組織に変えている。かなり強力な人間もこれから入ってくる。また、既存の代理店との関係もさらに強化していく。なおかつ、岩手県や宮城県などの地方でもパートナーと契約を結ぼうと考えている。こうした新しいチャレンジがプラスに寄与するため、会社全体が2けた成長を目指しているのと同時に、我々もそれは達成可能な数字だと思っている。

DNJ:今後5年、10年のビジョンはどのようなものか。
Ray氏:ビジョンは常に、エンジニアリングの世界に優れた設計ソフトウエアを提供することである。世界では、商品の価格に関係なくこの技術を購入できない人々がいる。このため、我々のビジョンは、現在ビジネスを行っている市場で成功するだけでなく、この技術を新興市場に導入する方法を探すことである。これが、我々を支える原動力となる。
飯田氏:現在、日本には30万社の製造業がある。このうち、15万社がCADを使っている。そのうちの80%が2次元CADを使っていて、20%が3次元CADを使っている。つまり、3次元のCADを使っているのは3万社である。現在我々は日本では1万600社の顧客を持ち、約35%の市場シェアを持っている。今後5年でこの市場シェアを上げる。2Dから3Dへ移行する顧客をターゲットにして、SolidWorksフォーカスに全部持っていこうと考えている。日本におけるミッドレンジの3次元CADの市場シェアの50%以上を取っていきたい。そのためには、現在行っている組織や販売代理店との関係の強化、そしてSWを社員が働いていて幸せだと思える会社にすることが大切だと考えている。
Leventhal氏:すべての人に3D CADを使ってもらうのが理想だが、ドラフターを使っている人もいる。我々のビジョンは、機能を追加し続け、簡単かつ楽しく使え、ワクワクするような製品を作ることで、より多くの人に3D CADを使ってもらえるようにすることである。製品の品質を低下させることなく、より多くの機能を追加し続け、製品を適正な価格で提供していきたい。

 
ソリッドワークス・ジャパン飯田晴祥新社長 ソリッドワークス・ジャパン
飯田晴祥新社長

DNJ:ソリッドワークス・ジャパンとの連携はどのようにとっていくのか。
Ray氏:我々はソフトウエアを英語以外でははじめに日本語に対応させた。日本のコミュニティは、品質の低い製品を許容しない。我々は、日本で製品をベンチマークとして確立できれば、全世界で競争力を持つ製品を開発できることに気が付いた。実際にその実績が出ている。日本の顧客は、製品を改善するための重要なアドバイスを提供してくれる。そのため、ソリッドワークス・ジャパン、日本の販売代理店と顧客のコミュニティとの独自の関係を持ち、製品を改善するためのフィードバックやアイデアを得ている。
Leventhal氏:日本のユーザーコミュニティは全世界で一番重要である。日本の顧客を満足させることができれば、世界を満足させることもできる。

DNJ:多くの日本のユーザーからフィードバックを得るためにSWのウェブサービスSolidWorks Labsを日本語に対応させないのか。(SolidWorks Labsについては、関連記事を参照)
Ray氏:SolidWorks Labsは、我々のR&Dの一部である。ユーザーはSolidWorks Labsを通して、3D CADのSolidWorks上で将来利用できるようになる製品の機能に対する要求などをフィードバックし、R&Dの一部に参加できるようになっている。実際に数十万ものユーザーが参加している。日本のユーザーコミュニティからの要求があれば、SolidWorks Labsを日本語に対応させる。

DNJ:今後の販売目標は。
Ray氏:重要なことは、現在我々ができていない方法で手を差し伸べ、人々を助けることである。たとえば、我々は現在、ルワンダの政府および人々と一緒に技術設計を天然資源を持たない人々に紹介する仕事をしている。ルワンダの内戦では、2世代もの人々の命が失われ、人々は独自の正統を確立し、将来の希望を与えてくれる方法を探している。ルワンダは天然資源がほとんどなく、あるのは人々の知性と良い生活への願望である。我々は、数値的な目標を設定するより、まだ行ったこともないような世界中のどんな地域においても、人々が生活を改善するためにSolidWorksを役立ててもらえるようにしたい。SolidWorksはツールに過ぎない。しかし、利用することによって大きな効果を生む。

DNJ:仏Dassault Systemes社(以下、DS)との関係はどのようになっていくのか。
Ray氏:DSはさらなる発展へのターニングポイントにある。DSはこれまで、市場へ製品を提供するためIBMに頼ってきた。しかし、DSは今後、ソフトウエアを開発する会社から、顧客に開発した技術を直接提供する会社へ変わっていく。これは、我々にとっても良いことである。SWのようにDSが顧客および販売代理店と直接取引するようになるにつれて、我々はDSとより密接な関係を持つようになり、お互いの連携もさらに強化されていく。また、お互いの技術を共有する機会も増える。我々はこれまで、技術やアイデアを共有しようとしたことはない。今後の展開では、舞台裏で連携し、技術やアイデアを共有していく。我々は、その技術を市場に異なるかたちで導入していく。DSとSWはお互いに異なる市場を持っているため、それぞれの市場に合った方法でこの技術を導入していく。
(大村 泰憲)

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