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【事例発表T】
OneSpace Modelingを選択して〜3D CADの選択経緯とその結果〜

NECアクセステクニカはブロードバンドルータなどを初めとするネットワーク機器、パーソナル/ビジネスファクシミリなどのメーカー。3次元CADを有効に活用できているのは「OneSpace Modelingを導入する際の選択の仕方にあった」という。機構開発部の梅原基氏の講演概要を紹介しよう。

NECアクセステクニカ株式会社 機構開発部 梅原 基 氏

梅原 基 氏

NECアクセステクニカ株式会社
機構開発部
梅原 基 氏

当社はNECの関連会社で本社は静岡県掛川市にある。1969年10月に創立し、ファクシミリやネットワーク機器、モバイル情報端末などの開発、生産を行っている。1990年にデミング賞実施賞を受賞、1999年から製造面を対象にした生産革新活動に取り組んだ。2002年からは開発革新活動にも取り組んでおり、現在も遂行中だ。


機構開発部は、当社が手がける製品の構造設計を担当している。具体的には、製品の信頼性を高めるための熱解析や強度解析、材料の有効利用を図るためのプラスチック成形の流動解析、環境対応設計、使いやすさを追求したユニバーサルデザインなどを行う。


機構開発部で初めて3次元CADを導入したのは1992年。当時2000万円ほどもしたハイエンドCADを導入し、主として金型製作のための図面作成、デザイナーとのデザインの検証、内部干渉の確認などに利用した。


そうやって約5年間、2次元CADとの併用、あるいは部分的に3次元CADによる設計も行ってきたが、1997年頃にターニングポイントを迎えた。その結果、それまではCADの専任者が中心になり、設計者と協力しながら利用してきたが、その後は設計者自身が3次元CADを使って設計するようになった。初導入から1997年までの5年間を間接活用時代、1997年以降を直接活用時代と呼んでいる。


ターニングポイントの要件として、多様化する市場ニーズへの対応、開発リードタイムの短縮、競争に勝ち残るための特徴的なデザインを持った製品の必要性などがある。こうした要件を満たすためには、設計者自身による3次元CADでの検討作業が求められた。折りしも、安価なミッドレンジ3次元CADが出現してきた。また操作が簡単な3次元CADも相次いだ。こうしたことから、当社でも設計者自身が使いこなせる3次元CADの導入へと踏み切った。


3次元CADを選定するに当たっては、まず部内の各部署から代表者を募り、3次元CAD検討委員会を立ち上げ、選定対象のCADごとにワーキンググループを設けた。次に、ソフト管理部門ではなく、使用部門での検討を行った。つまり、使用者が実務に使用して評価する方法を採った。そして最後にソフトベンダーへのヒアリングを実施した。これは単にベンダーにソフトの特徴や仕様を聞くのではなく、実際に使ってみて、得られたデータをベンダーとやり取りして性能評価を行う方法だ。そうやって、1次評価(使ってみての評価)に半年、2次評価(データを基したベンダーとのやり取り)に2週間ほどをかけ、その後は最終選定会議で短期決断し、「OneSpace Modeling」を導入した。


特徴的なのは1次評価で、これは「評価1」と「評価2」がある。「評価1」では、まずそれぞれの担当CADの講習を受け、操作法をマスターして実務評価に取り組んだ。その際の評価視点はコマンドではなく、設計作業として使ったときに使い勝手はどうかという点を重視した。従って評価は、例えば「干渉チェックではこうだった」といったコメントを記載し、かつ、それが致命的なものか否かの重み付けを付加する方法を採った。さらにサポートセンターへの問い合わせも頻繁に行い、ベンダーの対応評価もした。

「評価2」では、ある共通テストデータを基に、データ授受機能の良し悪しに関する評価や、ソフトベンダーの信用、体力、将来性などを調査した。また、ヒストリー、ノンヒストリーの特徴に関しても調査をしている。

「OneSpace Modeling」の決定要因は、一つはダイナミックモデリング、もう一つはノンヒストリーだ。機構開発部が手がける電子機器はかなりの仕様変更が発生する。デザインや操作性に関しても変更要求が多く、類似商品開発のためのデータの流用も少なくないので、ダイナミックモデリングは効果大だった。また、それと同様にノンヒストリーも、編集や外部からのデータの修正などへの対応を考慮すると有効だ。


OneSpace Modelingは1998年から導入を開始し、2002年には3次元CADによる設計が100%に達している。現在も追加導入を進めている。その分、保守料もかさむので頭の痛い問題ではあるが。


現在、OneSpace Modelingはビジネスファクシミリやパーソナルファクシミリ、無線ルータなどの設計に活用している。利用者は初心者から使い慣れた設計者まで多様であり、チーム設計をしているので他人のデータを使うことも少なくないが、総じて「修得しやすく、設計もしやすい」との評価だ。


導入効果としては、グループ設計にも関わらず初回試作から干渉問題ゼロだった、2次元CADに比べて設計・製図期間が1/3〜1/5になった、併行作業が効率化した、概要段階での見積りが可能になった、海外での金型製造が容易になった、などが挙げられる。今後、モデリングや編集など、さらに機能が強化されることを期待したい。

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